健康へのトビラ秋号(健康情報誌)創刊のお知らせです。
●北川先生によるオリーブ「小豆島を健康長寿の島に」「香川県民の食育」
●渡辺莞爾先生の「腹7分目の健康法」
●NPO法人健康を考えるつどい年間予定
●健康ワンポイント ●暮らしのワンポイント 「地震に備えよう!」
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第12回健康を求めてinユープラザうたづ
講演会報告:平成24年4月27日(土)ユープラザうたづ
講演:腹7分目の健康法
講師渡辺 完爾氏/渡辺医院 院長
■16世紀に食の害を説いた人物がいる
『無病法』の著者ルイジ・コルネロはベネチア共和国バドヴァ市の行政長官で貴族だったが、日頃の飽食がたたり40歳代で重病を患ったため心機一転。食事制限を心がけ102歳まで生きたといわれる。500年もの昔に摂食生活で健康を取り戻しただけでなく、その体験を本にしたことで知られている。
■栄養価の高い食品摂取で現代人は肥満体質に
食料不足の戦後を経て日本人は今、動物性脂肪と動物性たんぱく質の摂取が4倍に増加。その上、運動不足による肥満が増加。30~60歳代の男性は3人に1人が肥満で、高血圧・糖尿病・動脈硬化などの美容気の原因になっている。
■30%カットのカロリー制限でサルも長生き
カロリー制限をしたサルは健康で寿命を延ばすという結果から、カロリー制限はある種の遺伝子の機能を高め、病気を予防し寿命を延ばす可能性があることが判明。
■人も健康に生きるためにカロリー制限を
サルだけでなく人間もカロリー制限は大切。とくに栄養価の高い食品を食べている現代人にとってカロリー制限は大切で、1日20~30%のカロリー制限が求められる。この量は1日3食のほぼ1回分に該当。そのために食事回数の少ない方がより健康的だとのチェコの学者の報告がある。
■朝食抜き1日2食健康法をすすめる理由
1)午前中は食べない。(午前中は生理的に排泄器官が働く時間だから)
2)十分に小腸の排泄運動ができるので、宿便をなくし、消化器官が健康になる。
3)午前中は疾病を治すためのエネルギーが現われるときである。
4)空の胃は精神を高める。
5)食事は時間ではなく生活のエネルギーを中心に考える。
※少しずつ朝食の量を減らし最終的に水だけにする。朝食抜きで高血圧・糖尿病・狭心症・アトピー性皮膚炎、喘息・アレルギー疾患・膠原病の治療にも効果を得ている。
わたなべ・かんじ/昭和29年生まれ。独協医科大学医学部卒、医学博士。幼少期より医師である父(渡辺正)の指導により、朝食抜きの2食・生菜食・温冷浴など「西式健康法」を実践。平成9年から父であり医師の正氏とともに、西式健康法を基礎に断食療法・生食療法・運動療法などによって各種疾患の治療にあたる。平成23年より渡辺医院院長。薬を使わない療法にて、西洋医学で治らなかった難病を治療している。
講演:香川県民の食育
北川博敏先生/香川短期大学名誉学長・香川県食育推進会議会長
■小・中学生に生活習慣病が増えている
香川県木田郡三木町立三木中学校で校医が生徒の血液検査を実施。その結果、脂質異常、肝機能異常、血糖値異常の子どもがいることが判明。その対策に乗り出し、成果を上げている。
■子どもの生活習慣病は全国的な傾向
文部科学省(学校保健会)が小・中・高校生12.000人対象の調査で23.2パーセントが脂質異常という結果が出た。また厚生労働省が行なった千葉・富山・鹿児島の高校生1.200人に3年間の調査を行なった結果、約4割が生活習慣病あるいはその予備軍であることがわかった。
■子どもの生活習慣病は家族や本人の意識変化で短期間の改善が可能
子どもの生活習慣病は家族と本人の食生活の改善で短期間で良くなることがわかった。約3カ月で4~5割が改善されている。
■生活習慣病対策
(1)?食べ過ぎない。肥満にならない
(2)?油ものは控えめに
(3)?植物繊維を多く含む食品を食べる
(4)?野菜・果物を多く食べる
(5)?大豆食品・青魚を多く食べる
■香川県民に糖尿病が多いのはなぜ?
野菜の消費量が少なく1日当たりの摂取量は男性は全国ワースト1位、女性はワースト1位。うどん県といわれるほどうどんの消費量が多く、うどんだけで食事をすませる人が多い。うどんは野菜やワカメ、豆腐などを先に食べてから食べてほしい。
■気をつけよう!高齢者に多い栄養不良
食生活と健康に関心が高いために必要以上に粗食になり、気がつかないうちに栄養不良になっている高齢者が多い。栄養不良は筋肉や骨が弱り、抵抗力も低下するので気をつけたい。体格指数20以下は要注意。
きたがわ・ひろとし/1931年兵庫県生まれ。京都大学農学部大学院博士課程卒。アメリカ・イリノイ大学に2年間留学。京都大学農学部助手、講師を経て香川大学農学部助教授、教授に。その後香川短期大学学長を経て現在は名誉学長。かがわ農産物流通消費推進協議会会長・香川県食育推進会議会長