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健康常識の盲点 その3 By 豊岡倫郎氏 2021-11-29

1.病気には必ず原因がある

病気に罹り、どうして私がこんな病気になったのか、と嘆き悲しむ人の姿を幾度も見てきた。病気には必ず原因がある。その原因を作り出したのは、あなた自身であることを、知らなかったでは済まされない。人生は一度きりしかないのだから。

2.姿勢の悪さが病気の原因になっているのに、自分の姿勢が悪いのを気にも留めない人が多い。骨格の歪みが病気の原因になっていることを知っている人は少ない。

徳永耕二博士の著書「難病を治す背骨療法」によると、慢性肝炎では頸椎2~5番、胸椎8~11番、腰椎2~3番に異常。難聴、耳鳴りでは頸椎1~3番、腰椎1~3番に異常。狭心症、心筋梗塞では胸椎4~9番、腰椎1~3番に異常。腎炎、ネフローゼでは腰椎1~4番に異常。膀胱炎では胸椎9~11番、腰椎3~5番に異常。胃弱では胸椎4~6番に異常。胃下垂、胃アトニ―では胸椎7~9番に異常。小腸や大腸が弱いと、胸椎7~11番に異常。糖尿病では胸椎11番に異常。生理不順では胸椎11番、腰椎2~3番に異常があることを長年の臨床体験に基づき確認している。徳永博士と同じような指摘は、元東海大学教授の棚田次雄氏の著書「背骨ポキポキ健康法」にも載っている。また「西医学健康原理実践宝典」にはフランスのアー・ルブラン博士の背骨の狂いと故障する器官の一覧表が掲載されている。

この様に一般的に内科医が担当するような病気が、骨格の歪みが影響しているケースもあるとは思っていない人が多い。

ではどうしてこのようなことが起きるのだろうか。体の中心を貫いているのは、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、さらにその下部には仙骨と尾骨があり、これらの椎骨が上から下まで積み重なって、一本の脊柱となっている。そして個々の椎骨の間からは、脊髄神経が枝分かれして、全身の臓器や器官に分布していて、脳との間で情報交換をして、生命活動を維持している。

ところが人間は二本足で立ったり、座ったりして、立ち働いている間に、背骨がどうしても前後左右にズレたり、捻じれてしまうと、各椎骨の間から出ている脊髄神経が圧迫されて、臓器や器官の働きが乱れて、病気の原因となる。

では骨格を狂わせる悪い生活習慣とは何かと云えば日常の仕事、スポーツ、パソコンやゲーム機の操作、家事や畑仕事、家での寝転んでのくつろぎの姿勢、横座り、ぺたんこ座り、椅子に座り足を組む、ハイヒールを履く等挙げられる。このような偏った姿勢を続けていると、骨格も歪み、それを支える筋肉も、引っ張られ緊張してしまう。

甲田光雄博士著「背骨のゆがみは万病のもと」という本によれば、大食、甘い物、アルコール好きの人は、足首に故障が出る。足の親指から、足首、膝、腸、肝臓、肺、扁桃腺、頭痛へと、足の故障がジグザグに、左右交互に上の方へ影響を及ぼしてゆくことを、身体故障反射伝達図で説明している。

他にも磯谷公良著「予防医学」という本によれば、股関節の左右の歪み、即ち転位が足の長さの長短の原因となって、骨盤を傾斜させてしまう。磯谷式力学療法を提案している。五味雅吉著「体は骨盤から治せ」によれば、上半身の重みは脊柱の下に位置する仙骨が支えている。骨盤は両側から仙骨を挟み込んでいる構造になっている為に、仙腸関節がズレやすい。これらの原因で骨盤が左右どちらかに傾くと、その上の脊柱もバランスをとろうとして、曲がってしまう。そして最終的に上述した様な病気を招く結果となる。

では対策はどうすれば良いかは、それぞれの著書に解決策が記載されているが、ここでは紙面の余裕がないので関連図書を一読してください。

3.体の血流は心臓のポンプ作用によって、押し出されて体内を巡っている。この件につい誰一人として、疑問を抱く人がいないのが、問題なのである。

これから寒くなると、足が冷たい、腰やお腹が冷えるといって、いろいろ対策を講じる人も多い。根本原因はその部分の血流が悪いからである。体内には血管が張り巡らされていて、それらの血管を一本につなぐと、約10万キロメートルの長さになる。その内95~99%が毛細血管である。この毛細血管が加齢と共に衰えて、減ってくるが、それを加速させる要因がある。それは運動不足、甘い物、お酒である。これらは毛細血管を硬化させたり、消滅させたりする。病院で病気の原因が毛細血管が関係していると言及されることはまず無い。

では何故今ここで毛細血管を問題視するかと言えば、いくつか理由がある。

そのひとつは、血液の循環は心臓が押し出すポンプ作用によるものではなくて、毛細血管の吸引力によるという理論がある。これは西式健康法を創設した西勝造氏の学説であるが、その証明として20数箇条を挙げている。例えば、血液は水の4~5倍の粘着力がある。毛細血管の内径は5ミクロン位の細さである。その細い血管の中を僅か30秒前後で全身を巡って心臓に戻って来る。とても拳大の心臓の四分の一の左心室が収縮することで、血液を送り出す力は、物理的に考えられない。従って健全な毛細血管の働きなしには血液は順調に循環しないのであると。

もうひとつは、毛細血管の重要な働きを認識していないことである。大阪大学教授の高倉伸幸著「ゴースト血管をつくらない33のメソッド」という本によれば、体内の37兆個の細胞に酸素と栄養を供給し、二酸化炭素と老廃物を回収するという生命の基本的な働きは、毛細管血管が行っている。もし毛細血管が硬化したり、消滅していると、ここではこれをゴ―スト血管と称しているが、ガン、免疫力、骨粗しょう症、認知症、高血圧、糖尿病、肝臓疾患、腎臓疾患、便秘症、アトピー性皮膚炎、薄毛、シミやシワなどに深く係わっているという。

4.骨格の矯正と血液循環の正常化対策

今回取り上げた骨格の歪み及び血流の問題解決に対して、西式健康法では、誰でも実行できる具体的な方法を提案している。それは、骨格の矯正に対しては、木枕、平床、金魚運動、合掌合蹠法を、血流や毛細血管の強化、再生には、毛管運動、裸療法、温冷浴を薦めている。また食事面でも、大食を慎み、玄米、生野菜ジュース、大豆、ゴマ、小魚、海藻類を中心とした食事によって、肥満を防止し、腸内環境を整えて、綺麗な血液が体内に流れる事で、体質が改善される。

この中で特にお薦めするのは骨盤の歪み改善には合掌合蹠法を、血流改善と毛細血管の再生には毛管運動をぜひ一度は実践してみてほしい。パソコンやスマホで検索すれば、その動作を見ることが出来る。「ナポリを見てから死ね」という格言が有るが、西式健康法がどんなものであるか、一度は読んでもらいたい。この健康法を治療に活用している医者も何人もいるし、治療に成果を上げている。何事もいくつかの事を比較することによって、最善を選べるのである。

5.まとめ

1)骨格の歪みが腰や膝の痛みばかりでなく、内臓の病気を誘発していることも多い事を認識して日頃の生活習慣を見直して、改めるべき点がないだろうか。病気を作り出しているものは何であるか、と云う事に気付くには、健康常識の盲点を知ることも必要なのである。

2)血流の悪いところに病気が宿る。いくら知識を得ても、病気を治そうという強い信念と行動力が伴わなければ、健康を得られない。

おわり

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