冷たい水を飲んだとき、歯ぐき(歯肉)がしみると感じたことはありませんか?実は、歯と同じくらい大切なのが歯ぐきの健康です。
近年、日本人の平均寿命は伸びていますが、一方で歯の寿命をいかに延ばすかが課題となっています。その鍵を握るのが、歯を支える歯肉やあごの骨です。特に日本では、歯周病によって歯を失う人が増えてきており、早めのケアが欠かせません。
今回は、歯ぐきの健康を維持するポイントと、ビタミンCの健康効果についてご紹介します。
1.歯ぐきの働き
歯ぐき(歯肉)は、歯と歯槽骨をつなぐクッションのような存在で、噛むときの衝撃を和らげるほか、外部からの細菌侵入を防ぐ重要な役割を担っています。
しかし、歯と歯ぐきの間に歯垢(プラーク)が溜まると、細菌が繁殖して炎症を起こします。これが歯肉炎です。 歯肉炎が進行すると、歯周ポケットが深くなり、やがて歯を支える骨までが破壊される「歯周病」へと進展してしまいます。
歯周病は、早い人では20代から発症し、30代・40代になるとそのリスクはさらに高まります。症状として歯ぐきの腫れや出血、口臭の悪化などがあり、放置すれば歯を失う原因にもなりかねません。
2.健康な歯ぐきの色と形は?
健康な歯ぐきは、引き締まっていて淡いピンク色をしています。特に、歯と歯の間の歯ぐきは三角形を描くようにシャープな形をしているのが特徴です。
一方で、炎症が起きている歯ぐきは、赤く腫れ丸みを帯びた形になりがちです。歯垢や歯石がついている場合は要注意です。
3.歯ぐきの健康チェックリスト
次のような症状がある場合、歯ぐきのトラブルが進行している可能性があります。ひとつでも当てはまる方は、早めのケアをおすすめします。
- 歯ぐきの色が紫〜赤黒い
- 歯磨き時に出血がある
- 歯石がついている
- タバコを吸う習慣がある
- 歯ぐきがむずがゆい・違和感がある
- 朝起きたときに口の中がネバネバする
- 口臭が強くなった
- 冷たい水がしみる
- 歯ぐきがときどき腫れる・痛む
4.歯ぐきの健康を維持する方法
歯ぐきを健康に保つためには、毎日のセルフケアと定期的なプロケアの両方が大切です。
効果的に歯垢を取り除く
歯ぐきの病気の主な原因は歯垢(プラーク)です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、すみずみまで汚れを落としましょう。ゴシゴシ強く磨くと歯ぐきを傷めてしまうので、やさしい力で丁寧に行いましょう。
なお、毛先が開いた歯ブラシでは汚れをしっかり落とすことができません。月に一度を目安に歯ブラシを交換するのがおすすめです。毎月1日に交換するなど、日にちを決めておくと良いでしょう。
歯肉マッサージ
歯ぐきのマッサージは、血行を促すほか、歯周ポケット内の汚れを取り除くのに役立ちます。
柔らかい歯ブラシでやさしく小さく円を描くようにマッサージしたり、乾いた清潔な指でやさしく押し上げるように軽く刺激したりします。マッサージ前には温水でうがいをすると血行が促進されます。
歯肉の腫れや出血がある場合はマッサージを行わず、歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。
半年に1回の健診
痛くなってから歯医者に行くのではなく、予防のための受診が大切です。付いてしまった歯石は歯みがきでは落とせないため、半年に1度を目安に定期健診とクリーニングで、早期発見と歯と歯ぐきの管理を心がけましょう。
5.歯ぐきケアの新習慣に、柿ポリフェノールの補給
柿の葉に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、体内の活性酸素を抑えることで炎症をやわらげる働きがあるとされています。これにより、歯周病の原因となる歯ぐきの炎症にもアプローチし、歯ぐきの健康維持に役立つと注目されています。歯みがきや定期健診に加え、内側からのケアとして柿の葉ポリフェノールを取り入れてみるのもおすすめです。
6.まとめ
歯ぐきを整えることは、歯の寿命を延ばし、食べる楽しみをいつまでも守ることにもつながります。毎日の歯みがきによる歯垢の除去や歯ぐきのマッサージ、定期健診に加えて、ポリフェノールの補給が歯ぐきの健康づくりに役立ちます。
今日からできることを少しずつ始めて、10年後、20年後も自分の歯でしっかり噛める未来を育てていきましょう。
【参考】
公益財団法人 8020推進財団「歯ぐきもチェックしてみよう!しっかり見たこと、あるかな?」
公益社団法人 神奈川県歯科医師会「あなたは、はたして歯周病?心がけよう!お口の健康管理」
公益社団法人 神奈川県歯科医師会「歯周病治療にも効く歯肉マッサージのススメ」