毎日しっかり湯船に浸かっているのに、「疲れが抜けない」「体が冷える」そんな感覚を覚えることはありませんか。
そこで、温かい刺激と冷たい刺激を交互に与える「温冷浴」は、サウナに近い爽快感を得ながら、体のめぐりを効率よく整える方法として注目されています。銭湯に行かなくても、ご自宅でできる温冷浴の方法をご紹介します。
1.温冷浴とは?
温冷浴(温冷交代浴)とは、温かいお湯と冷たい水を交互に使う入浴法です。銭湯やサウナ施設にある水風呂を使わなくても、ご家庭のお風呂とシャワーがあれば実践できます。
例えば、40℃のお湯に10分浸かる一般的な入浴は、リラックス効果は高いものの、血流や自律神経への刺激は比較的穏やかです。
温冷浴では、やや熱めのお湯で体を温め、その後、冷水で体を引き締めます。この温度差による刺激が、体に心地よいリズムを与えます。
2.温冷浴の効果
温冷浴で期待できる効果は、大きく分けて以下の点です。
■自律神経を整える
温かい刺激で血管が広がり、冷たい刺激で一気に収縮する。この動きが短時間で繰り返されることで、自律神経がバランスよく刺激されます。
季節の変わり目や寒暖差による不調を感じやすい方にも、体が環境変化に対応しやすくなると考えられています。
■血流促進
温冷浴では、血管の拡張と収縮が繰り返されるため、血液の巡りがスムーズになります。
その結果、
・手足がポカポカしやすい
・入浴後に湯冷めしにくい
・余分な汗をかきすぎない
といった変化を感じる方も多いようです。
■疲労回復
温冷浴は、血流が促されることで、疲労物質の排出がスムーズになり、筋肉の回復を助けると考えられています。
スポーツのパフォーマンスアップやケガ予防も期待されており、実際に、日本オリンピック委員会の強化指定選手が使うトレーニングセンターにも、交代浴の施設が設けられています。
■ヒートショックプロテインの生成
温度刺激によって体内で作られるといわれているヒートショックプロテインは、傷ついた細胞の修復や、疲労回復・免疫機能の維持に関わるたんぱく質です。
急激すぎない温度差を与える温冷浴は、ヒートショックプロテインの働きを引き出す方法のひとつとされています。
■ビタミンCを壊さない
長時間の入浴を行うと体温が上がり、体内のビタミンCも壊れます。温冷浴では、体にとって大切なビタミンCの破壊を防ぎながら、体を温めることができます。
■安眠・ストレス対策
温冷浴後は、普通の湯上り後とは違う爽快感やリフレッシュを感じる方も少なくありません。さらに、深部体温が一時的に上がり、入浴後に自然と下がることで、眠りにつきやすい状態をつくることができます。
■美肌
冷水で皮膚が引き締まり、温水でやわらぐ繰り返しによって、汚れが落ちやすくなり、石鹸でこすりすぎなくても肌がすっきりして、ツルツル感を得られるといわれています。
3.温冷浴とサウナの違い
温冷浴は、近年話題のサウナと似た点もあります。どちらも、温と冷の刺激を繰り返す点や、血行促進や疲労回復を目的とする点は共通しています。
一方で、サウナは80〜100℃と高温になるため、刺激が強く、水風呂との温度のギャップもあるため体への負担を感じる方もいます。
健康管理やリラックスが目的であれば、刺激が穏やかな温冷浴の方が続けやすいという点が大きな違いです。また、温冷浴は自宅で行える点もメリットといえるでしょう。
4.自宅でできる温冷浴の方法
銭湯などでは、温浴用の浴槽と水風呂の浴槽で行えますが、ご自宅では冷浴はシャワー、または桶で冷水をかぶる方法が現実的です。特別な設備がなくても自宅で行える方法をご紹介します。
基本の準備
・入浴前にコップ1杯の水または柿茶をゆっくり飲んでおきます
・脱衣所にも水を用意しておきましょう
・計測用に砂時計やタイマーを用意しておくと、1分間を計りやすくなります
・シャワーのお湯や浴室暖房などで、浴室はあらかじめ温めておきましょう
温度の目安
・浴槽のお湯:41〜43℃(冬は最大45℃まで)
・シャワーの水:14〜15℃(冬は18〜20℃程度)
手順(初心者向け)
- 服を脱ぎ、事前に温めておいた浴室に入ります
- 全身にシャワー、またはかけ湯をして体を慣らします
- 頭や身体をいつも通りに洗いましょう
- 下記の順番で、水浴と温浴を交互に行います
水(1分)→湯(1分)→水(1分)→湯(1分)→水(1分)→湯(1分)→水(1分)→湯(1分)→水(1分)
最後は必ず水で終えるようにしましょう - 脱衣所でタオルで体を拭き、水分を補給します
温冷浴のポイント
水浴にシャワーや桶を使う場合は、足背(足の甲)から始め、ひざ、臍(おへそ)、左肩、右肩と、下から徐々に上へ冷水をかけていきます。頭まで浴びる必要はありません。急に冷水をかけると体に負担がかかるため、段階的に行いましょう。
温浴では、肩までしっかりお湯につかるのが基本です。目安は水5回・湯4回程度。少なすぎると効果が得られにくく、多すぎると、かえって疲労につながります。
注意点
・食後すぐや飲酒後、体調不良時は避けましょう
・発熱時は行わないようにします
・持病や服薬中の方は医師に相談してから行いましょう
・冷水は足元から徐々に慣らすようにします
5.まとめ
温冷浴は、特別な道具がなくても、自宅で手軽に体のめぐりを整えられる入浴法です。
疲れが抜けにくい、冷えやすい、眠りが浅い、そんなときこそ、温冷浴を無理のない範囲で取り入れてみてください。温かさと冷たさの刺激を交互に与えることで、血流や自律神経のバランスを整え、疲れにくく、冷えにくい体づくりをサポートしてくれます。
日々の入浴時間を、体のコンディションを整えるひとときとして活用していきましょう。
参考:JAPAN SPORT COUNCIL(日本スポーツ振興センター)「交代浴」



