▼【NPO法人健康を考えるつどいブログ】

健康常識の盲点 By 豊岡倫郎氏 2021-9-30 

1.あなたの健康常識は間違っていないか

スマホが普及して、誰でも健康に関する情報を取ることが出来るし、新聞、雑誌、テレビで健康に関する記事や放送を見聞できる。しかし健康問題に関心のない人達には、正に猫に小判である。病気になれば医者に診てもらえばよいと、楽観的な人が多い。何故私だけがこんな病気で苦しまなければならないのか?病気には必ず原因がある。無知では済まされない。

2.健康常識の盲点

1)甘いものは疲労を解消してくれる。

確かに糖分を摂ると急速に血液に吸収されて、エネルギー源となって、疲れを解消してくれるし、脳は反応して、気持ちをリラックスさせてくれるセロトニンが分泌される。しかしそれは一時的なことで終わる。むしろ常時糖分を摂取し続けると、次のような害が起きるので極力控えることである。先ず体の体液を酸性に傾けるが、それを中和するために体内の骨の中からカルシュウムを捻出させる結果、骨が脆くなる。更に血中の糖分は毛細血管を消滅させて、血液循環が悪くなる。大量の糖分は血糖値を乱高下させて、脳は混乱して、精神的にイライラや落ち着きをなくして、感情を不安定にさせる。糖分は腸の悪玉菌のエサとなって、腸内環境が悪くなる。胃腸や肝臓の働きが低下してしまうし、免疫力も低下する。中性脂肪やコレステロールを増やす。

最も怖いのは、AGE(終末糖化産物)の生成である。これは糖分がタンパク質と結びついて出来る変質した物質の事で、糖分とタンパク質の摂り過ぎで、体内でどんどん生成されて、体内の至る所に蓄積されてゆき、動脈硬化、ガン、骨粗しょう症、変形性関節症、認知症。白内障、肌のシミやシワなどの病気や老化を促進する。当然のことであるが糖分の過剰は糖尿病を発症させることは言うまでもない。

2)高脂肪、高蛋白の高カロリー食は病気に負けない元気な体を作り、スタミナが付く。

戦後欧米食が日本に普及して、今では若い人達は和食離れして、欧米崇拝主義が食生活までも変えてしまった。その結果、高脂血症、高コレテスロール、動脈硬化、高血圧症、脂肪肝、肥満、ガンが大人だけでなく、若年層や子供達にも激増している。

よく言われている言葉に、肉を食べるとスタミナが付くと。果たして本当だろうか。スタミナとは、持久力、精力を意味するが、肉を食べると、持久力が続き、元気が何時までも続くことはあり得ない。腸内環境も悪くなって、血液は汚濁し、免疫力も低下する。

油で処理したものは味覚を刺激して、若者達は焼き肉だ、トンカツだ、とりの唐揚げだ、ハンバーグだと、常食すれば健康体を作るどころか、大腸ガンや乳ガンを誘引するという。

脂肪分を摂り過ぎると、活性酸素によって過酸化脂質に変質されて、血管壁に付着したり、血管癖に浸み込んでゆき、血管を脆くしてしまい、各種生活習慣病を招くことになる。

3)牛乳は完全栄養食である。カルシュウムが豊富なので、骨を丈夫にするし、骨粗鬆症に良い。

カルシュウムパラドックスという言葉がある。一度に大量のカルシュウムが体内に入ると、ホメオスタシスという体内の恒常性維持機能が働いて、余分なカルシュウムを体外へ逃がそうとしてしまう。逆に骨がカスカスになってしまうのである。酪農の国のノルウェーやデンマークの若者に骨粗しょう症の人が多いのは、そのせいであると云われている。

そもそも日本人は小魚、海藻、野菜類、ゴマ、大豆製品の日本食からカルシュウム分を摂取していた。カルシュウムを骨に沈着させるには、体を動かして骨に負荷を与える事やビタミンD、マグネシュウム、ビタミンC、ビタミンKの摂取も欠かせない。砂糖や蛋白質の摂り過ぎは体を酸性にするからカルシュウムが逃げてしまう。コーヒーやお茶のカフェインはカルシュウムを排泄させる働きがある。肝臓や腎臓の機能が低下していると、ビタミンDが作られない、胆嚢や膵臓の働きが低下していると、脂肪分とカルシュウムが結びついて、吸収されずに便と一緒に排泄されてしまう。胃腸の粘膜に炎症があると、カルシュウムの吸収が悪い。閉経期を過ぎた女性は女性ホルモンが減って、骨の新陳代謝機能が低下しているので、骨粗しょう症になり易い。

要するに牛乳を摂取しなくても、以上のような注意点を考慮すれば、即ち日本食をきちんと食していれば、骨の異常は起きない。牛乳神話に惑わされないようにしたいものだ。

そもそも日本人の八割の人は牛乳に含まれているカゼインという蛋白を消化するラクターゼという酵素を持ち合わせていないので、アレルギー反応が起きる。或いは消化不良で下痢する。花粉症やアトピー症が増えたのも牛乳に原因があると云われている。

4)酒は百薬の長である

確かに適度な量の酒は気分をリラックスさせて、食欲を増進させる効果は否定できない。しかし20年も30年も毎晩晩酌をしていると、肝機能は低下してゆき、肝硬変になったり、アルコールからアセトアルデヒドという副産物が作られて、それを分解する時に、大量の活性酸素が発生するし、ビタミンB類、ビタミンC及び酵素類が無駄に消費される。酒の肴に動物性のものを一緒に摂ると、活性酸素によって過酸化脂質に変質して、血管に蓄積されて、動脈硬化を招く。酒を飲んだ直後は体は血管が膨張して、血流が良くなるが、その後は逆に血管が収縮する。これを繰り返していると、段々脳細胞が委縮してゆき、認知症に近づいてゆく。またアルコール分は利尿作用が働いて、尿と一緒にカルシュウムが排出されてしまし、肝臓が疲弊していると、ビタミンDが産生されないため、腸でのカルシュウムの吸収が悪くなる。お酒飲みの人に腰の悪い人が多いのはその為である。

最近はビール党も若い人に多いが、体を冷やすから、年輪を重ねるにつれて、体の変調をきたすことになる。アルコール中毒になることだけは避けたい。酒は百害の長である。

5)お腹に宿便はない

毎日排便があれば宿便なんかない。医者は肛門から内視鏡を挿入して、目で確認しているが、宿便は見当たらない。腸の粘膜は3日で剥離して入れ替わるから、宿便は残らない等がその根拠となっている。

しかし甲田式西式健康法で多くの難病患者を治療してきた甲田光雄博士の著書によると、「現代人の大半は宿便をどっさりため込んでいる。毎日快適に便通があっても宿便が溜まっている。関節リュウマチ、脳卒中や痴ほう症、アレルギーの発生にも影響している。万病のもとになっている。」と書かれてある。

実際に甲田医院に入院した人達の闘病記を読むと、生々しい宿便排泄の状況が描かれている。絶食に入る前に、スイマグという水酸化マグネシュウムの緩下剤を飲んで、腸内が空っぽになっているのに、真っ黒な悪臭を放つ宿便が何回も排泄されるという。どうも腸壁の中に浸み込んでいる老廃物が浄化されるらしい。

3.まとめ

現在日本に高血圧4000万人、糖尿病2200万人、高尿酸血症600万人、肥満3400万人、骨粗しょう症1800万人、アトピー症700万人、花粉症2000万人、脂質異常症3200万人、脂肪肝3000万人いるという。 これらの病気が間違った健康常識を抱いている人達の生活習慣によって、発症している。砂糖、肉と油、牛乳、酒、大食による宿便の害に無関心では済まされない筈。これら日本食離れの食生活からもう一度回帰する時期にあるのではなかろうか。

おわり

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