3. 読み物

【ストップ歯周病】全身に影響を及ぼす前に

こんにちは。柿茶本舗の井上です。
歯を失う原因でもっとも多いのは「歯周病」であることをご存知ですか?
日本人の20歳代で70%、45~54歳の80%が軽度を含めて歯周病に侵されているそうです。歯周病から歯を失うことは、実は全身に病気を引き起こしている事実を、私たちはもっと知る必要があるようです。

■目次

1. 歯周病とは

歯周病は歯茎に炎症がおこる病気の総称です。一般的に歯茎と呼ばれる歯肉だけの炎症なら「歯肉炎」。歯の根元を支える歯槽骨まで広がっている場合は歯周炎といい、これが「歯周病」と呼ばれるものです。さらに症状が悪化して、歯茎から血や膿が出たり口臭が発生したり、歯がぐらぐらするなど深刻な症状になると、これは「歯槽膿漏」です。

気をつけたいのは、歯肉炎の初期段階では痛みはなく、たまに歯がしみたり、歯茎が腫れたり、出血することがある程度で、これらのサインを見逃しやすいこと。放置している間に、静かに歯周病へと進行してしまうのが怖いのです。

デンタル・プラークともいわれる歯垢(しこう)は、食後4~5時間経つと歯の表面にネバネバしたものができてきます。それが歯垢で、そこには無数のいわゆる歯周病菌がいるのです。歯磨きが充分でないと、歯と歯の間や歯茎の間で歯垢が歯周病菌の塊となってしまい、周辺に炎症をおこします。これが歯周病の始まりです。ちなみに、歯医者さんでよく聞く「歯石(しせき)」とは、放置した歯垢が石灰化して固まったものです。

2.口腔内は清潔に

口の中にはいろいろな菌が住みついていて、約700種、合計100億個の細菌があるといわれています。細菌の中には、善玉菌もあれば悪玉菌もあり、歯周病の原因となる細菌は、十数種類あるといわれています。その中でもとくに危険なのが、ジンジバリス菌、デンティコーラ菌、フォーサイシア菌の3種の菌。歯や歯茎の病気からこれらの菌が血液中に入り込むと「歯原性菌血症(しげんせいきんけつしょう)」となり、これがいろいろな病気を引きおこすことが知られています。口腔内を清潔にしておくことがなにより肝心です。

3.歯周病が影響を及ぼす病気

■糖尿病
歯周病が悪化すると糖尿病も悪化します。そのしくみは、歯周病菌が歯茎の炎症した部分から血中に入ると、血中に炎症性サイトカインが増加し、血糖値を下げようとするインスリンの働きを邪魔して、糖尿病を悪化させるのです。歯周病を治療すると、糖尿病が改善されたという事例もよく聞く話です。

逆に、糖尿病になると体内の糖の過剰など血糖コントロールが悪くなり、歯茎の毛細血管が減少して歯茎が弱り、出血もしやすくなることから歯周病にかかりやすくなります。歯周病が先か糖尿病が先か。この二つの要因が悪循環していることは、ぜひ知っておいてください。

■動脈硬化
歯周病菌が血中に入り込むと、血管内皮細胞(けっかんないひさいぼう)と呼ばれる血管の内側を覆う細胞に付着して、血管内膜に炎症が起きます。やがてアテロームと呼ばれる脂肪の塊ができて、血管の通り道が狭くなる動脈硬化がおこります。動脈硬化が進むと、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などが引き起こされるのです。

■誤嚥性(ごえんせい)肺炎
食べ物が誤って気管や肺に入り込んでしまうと、「誤嚥性肺炎」をおこすことがあります。とくに高齢になると、飲み込む働きが弱くなり、誤嚥をおこしやすくなります。その際に歯周病菌が気管から肺に入ると、免疫力が低下しているために誤嚥性肺炎になってしまうのです。

■腎臓病
糖尿病の合併症のひとつに腎機能低下があります。腎臓で濾過する血管に歯周病菌が混じっていると、さらに腎臓に負担が加わり、機能が低下していきます。

■アルツハイマー型認知症
最近では、アルツハイマー型認知症の人の脳から歯周病菌の毒素が検出されたことが報告されています。また、歯周病菌はアルツハイマー型認知症に見られるβ―アミロイドの沈着を促進させることも判ってきました。

■関節リウマチ
自己免疫疾患のひとつ、関節リウマチは、関節を包む滑膜に炎症が発生して、骨を破壊させていく病気です。この炎症にも歯周病菌の酵素が関与していることがさまざまな報告から明らかになっています。

■早産
妊婦さんが歯周病を患っていると、本来出産(子宮収縮)のために増加してくるプロスタグランジンという生理活性物質が、歯周病菌による炎症によって異常に増えてしまい、低体重児早産につながることが知られています。

4.歯周病の予防

■朝晩の歯磨きは正しくていねいに実行しましょう。

■喫煙、ストレス、睡眠不足、体調不良などによる免疫力の低下は歯周病につながります。まずそれらをなくす生活を心がけましょう。

■食生活では、食物繊維が不足しないようにし、食事はよく噛んで食べる習慣を。 偏食はやめましょう。 抗酸化物(ポリフェノール、カロテノイドを含んだ食材)や、オメガ3系の油(亜麻仁油、えごま油など)を摂るようにしましょう。

■歯茎の毛細血管を強化するために、適度のブラッシングも必要ですが、ビタミンCの摂取も欠かせません。それには「柿茶」を飲むのがおすすめです。お酒や甘いものは毛細血管を硬化させたり消滅させたりしますので、控えめに。

■健康な血管を維持するためにも、糖尿病や動脈硬化は予防と治療に配慮しましょう。

■少なくとも6か月に一回は歯医者へ行き、定期検診や歯のクリーニングしてもらいましょう。

 

5.さいごに

■1989年に当時の厚生省が推進した「8020(はちまるにいまる)運動」をご存知ですか。80歳になっても20本以上の歯があれば、楽しく充実した食生活を送ることができる、という内容でした。しかし現在では、楽しい食生活よりも歯周病が寿命を縮めることから、歯のケアを実行することの方が大事だといわれています。

■最近、慢性炎症ががん化を引きおこす原因のひとつといわれています。慢性炎症が発生する要因は歯周病菌ばかりではなく、活性酸素、酒、ストレス、過食や宿便、過労などいろいろあります。日頃の生活習慣を見直すことこそ大事なのです。

■歯周病は「静かな病気」と呼ばれています。自覚症状がなく、静かに、しかし確実に進行していきます。最初の軽い症状を見過ごすケースが多いので、歯茎の状態には気をつけ、軽視せずに初期段階からしっかり治療しましょう。

■なにより、ふだんから適度な健康体操をして、体内の血液循環を良くすることも、健康生活には欠かせません。

参考:歯周病が影響を及ぼす病気の数々(2019年9月18日 豊岡倫郎 氏)


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